接客業のみならずクレーム被害に悩む、あるいは被害を被る可能性を考えて疲弊する人は年々増えている。クレームのやっかいなところは相手からの正当なクレームか、あるいは金銭物品目的、さらにはストレス発散のためのいちゃもんなのか、判断をするのが非常に難しい事があるところだ。クレームを完全になくす事は不可能ではあるが、日常業務での対策を心掛ける事によりクレームの確率を減らし、最終的にクレーム被害の発生やそれに悩む頻度を減らす事は可能である。
クレームが発生する要因はさまざまだが、深刻な事態に陥る場合でも入り口は些細な事からである場合も多いし、意図的にクレームを発生させる人間は些細なきっかけを見逃さないものである。そこで大事なのは、そう言ったきっかけを極力作らない事である。たとえば自分が働く店の中に、ほとんどの人はつまずきもしない些細な段差があったとする。こう言ったところは正に悪い事をしようとする人物には格好のねらい目であり、進んでつまずきにいく事もあるだろう。そのような段差をなだらかにする事がもし不可能でも、見えやすい場所に「お気を付け下さい」の注意書きが一言あるだけで対応にあたった場合の優位性が変わってくる。そして、注意書きがある事自体がよからぬ事をたくらんでいる人へ向けての立派な牽制になるのである。会話や文字の言い回しも、クレームのきっかけのひとつになるので、曖昧な表現やどちらにも取れるような表現のものについて、言い方を変えたりきっちり注釈を付けたりする事でクレームを減らす事ができるだろう。